...ある日本の島への自転車旅行が、愛と食を巻き込んで大冒険に発展。
定年退職したばかりの詩人の元大学教授と、ジャズ歌手を目指す若き女性医師が、瀬戸内海に浮かぶ四国を自転車で放浪することになった。この旅は、二人を精神的にも肉体的にも近づけ、またそれぞれが心の奥に隠していた過去の悲劇と向き合い、新しい人生を模索する機会を与えた。二人が乗る自転車、桜、野生的な海岸線、温泉、素晴らしい地元の食が彼らの冒険に華を添えた。旅の道中では、愛、生命、芸術、宗教などさまざまなテーマについて語り合った。恋愛が物語の原動力にはなっているものの、それが唯一のテーマではない。『四国』は単なる「紀行小説」を超えて、主人公たちが新しい人生に向けて冒険を試みる小説でもある。